小野田商店でも本格的な氷彫刻にチャレンジします!
果たしてこの氷塊はどんな作品に変化したでしょうか?小野田商店公式Instagram(氷華)で是非チェックを!
今まで小野田商店では氷華(花氷、氷中花)や、ドリルを使った氷の花の彫刻など、氷のアートへの挑戦を続けてきましたが、満を持して小野田商店の社員自身による本格的な大型のアイスカービングの練習を始めました。
時間をかけて昔ながらの製氷を行うことで、非常に大きく規則正しい単結晶のパターンを持つ小野田の超純氷®は、その性質から高い透明度を実現し、全体としては硬くも決まった方向からの切断は綺麗に行えるというアイスカービングの素材には最適な特性を満たしています。
このことから、明治神宮にて毎年成人式にちなんで行われる「明治神宮奉納全国氷彫刻展」など、数多くのアイスアートを用いたイベントにご愛用頂いております。
氷彫刻にご愛用頂いている小野田の超純氷®を作る小野田商店としては、実際に氷の彫刻をやってみて理解を深めることで、より良い商品の提供へと繋げていきたいと考えています。
氷材は石材や木材のようにいつまでも残っているわけではなく、またガラスのように不変の透明さを持つわけではなく、気温などの条件によって霜が降りたりと、その状態も変化し続けます。
一方で材料は水だけで済み、大型の作品を作っても自然に融けてなくなるためイベント後の処理も簡単で、また見た目のゴージャスさだけでなく、放つ冷気が夏のイベントには涼をもたらしてくれるため、昔から今日までイベントにおいて氷のアートは親しまれ続け、現代ではまさに環境負荷の少ないエコアートとしても評価できます。
そんなアイスアートには、氷の見せる多面的な美しさを利用した、幾つかのパターンが存在しますので、今回はそれをご紹介していきます。
アイスカービング(氷像)
まず、氷のアートといって最初にイメージされることが多いのが、上記の写真のような大型のアイスカービングなのではないでしょうか?
ホテルの宴会、ウェディング、パーティーなどの際に食事と共に装飾品として置かれることが多いものです。国内ではパティシエが料理の腕を振るう傍らで、その技量を示す宴会の飾りとして作成することが多いようです。
また、冬季のイベントなどでは長持ちし、ライトアップで映えることからよく見かけます。
雪像(スノーアート)
いずれも作成風景、第44回さっぽろ雪まつり国際雪像コンクールにて
また、氷の一形態でもある雪を使った「雪像」もアイスアートの一つといえるでしょう。雪像は雪を固めて作った像であるため、「雪だるま」も雪像の一種といえ、最も身近なアイスアートといえるかもしれません。
氷よりも雪は圧倒的に扱いが簡単なため、北海道札幌市大通り公園にて毎年開催される、さっぽろ雪まつりでは世界各国のグループによる大会から、市民による雪像のコンテストまで行われています。材料にする雪に不純物が多いとそこから融けだすことも多いため、さっぽろ雪まつりで雪像に使われる雪にはあまり不純物を含まない純白の新雪が使われます。
雪は氷と比べて非常に形成の自由度が高いというメリットがあり、かなり複雑な造形の作品が作られるも多く、その場合雪だけでなく、木、鉄、プラスチックの補強材を埋め込んで補強することがあります。
また、作品によっては染料で色付けされることがありますが、この場合染料が雪の融解を高めるので、雪のみのものと比べ短命な作品となりがちです。
近年ではプロジェクションマッピングとの相性の良さから、映像と組み合わせた展示が増えてきている傾向があります。
氷の花の彫刻
氷彫刻の達人、小野様による小野田商店での勉強会にて作られた作品。
アイスカービングの一種として、彫刻用ドリルを使った氷の花の彫刻というのもあります。
これは氷の塊の表面を直接彫り込んで作品にするのではなく、内部にドリルで花のような彫り込みを入れ、彫り込みの部分の雪に色付けをすることで作品をつくるもので、いわゆる「氷像」と呼ばれるアイスカービングよりも短時間でつくることができ、故にイベントなどでのパフォーマンス性に優れます。
染料を入れているので、その部分の雪は融け流れるまでの時間は早くなってしまいますが、彫り込みを入れた穴を冷却スプレーで凍らせて塞ぐ等工夫をすることで比較的長持ちさせることもできます。勿論、これを通常の氷彫刻と組み合わせた作品を作ることもでき、手間は掛かりますが非常に優美な作品となります。
氷華(花氷、氷中花)
氷華(花氷、氷中花)は氷の中に造花や置物などを入れて閉じ込めたアイスアートです。
一見単純そうなものに見えますが、透明度の高い、気泡のない氷を作るのは意外と難易度の高いことであり、中に物が入っていることでなお難易度は高まっていて、割れ物を入れた場合は凍結圧によって割れてしまうこともあるので、慎重な調整と作業が求められます。
かつて冷房が発達していない時代、人々が集うところに氷柱を置いて涼を取る文化があり、特にデパートなどでは、エントランスに置かれた氷柱に子供たちがあつまり、触って冷たさを楽しむ光景がよく見られたようです。それをより華やかにするために造花などを入れたのが氷華の始まりと考えらます。
記録として残っている古いものでは、1887年(明治20年)に日本資本最初の製氷会社である東京製氷の築地工場に、後に大正天皇となる当時の皇太子殿下が行幸なされた際に、これの製造の様子をご覧になり、大変お褒めになられ、さらに明治天皇へおみやげとして持ち帰ったそうです。
氷の中の魚(Wikipediaより引用)
また、いわゆる生物標本のうちの一つに氷漬け標本がありますが、これもある種の氷華(花氷、氷中花)といえそうです。
一般的に資料目的で標本を作製する際には液浸標本という、俗にいうホルマリン漬けやアルコール漬けが用いられることが多いのですが、この保存法では取り出しての再調査が手軽だったり、特別な設備無しで作れるなどのメリットがありますが、資料の状態を損なうことも多いので、近年では冷凍標本を用いることも増えています。この中でも特に展示資料として特化したものが氷漬け標本です。
魚を閉じ込めた場合、まるで氷の中を泳いでいるかのような見事な展示をすることができるため、さっぽろ雪まつりなどのイベントや、気仙沼市の氷の水族館(岡本製氷冷凍工場)や北海道立オホーツク流氷科学センターなどで常設展示されいます。
氷から取り出しての再調査が難しい反面、展示に特化しているため、これも一種のアイスアートと呼べそうです。奈良の氷室神社にて5月1日に、全国の製氷業者や販売社らが氷を奉納する「献氷祭」でも海の幸代表のタイと、里の幸代表(?)のコイを封じ込めた二基の大型氷柱が奉納されました。
より複雑な氷の芸術も…
さらにアイスカービングと氷華(花氷、氷中花)を組み合わせた作品も存在します。
これは予め彫刻としてカットする部分に封入する物が干渉しないように計算して作成しなければならないなど、通常のアイスカービングと比べても非常に難易度の高い、まさにアイスアートでも一番高難易度かつ、なかなか見かけないものです。小野田商店では氷彫刻の達人、小野様による氷華と組み合わせたアイスカービングの作成を一部始終見学させていただき、その技術力の高さに感服いたしました。(参照)
氷に物が入っている状態では、少しの温度変化などで封入物の周辺から急速にヒビが入ってしまうこともあり、彫刻の技術はもちろん、適切な環境管理の下で作成を行う必要があります。
アイスアートのご相談は小野田商店まで!
第46回明治神宮奉納氷彫刻展の開催にあたり搬入される、小野田の超純氷®
小野田商店では素材となる氷の提供だけでなく、首都圏の皆様の「オリジナルのアイスアート作品を依頼したい!」といったような相談も受け付けております。クール便にて配送可能なサイズの作品の依頼につきましては全国の皆様からの依頼をお待ちしています。
ぜひ、飲食用だけでなく見て楽しむ氷としても、小野田の 超純氷®を今後ともよろしくお願いいたします。
参考、出典