雪とみぞれの違い
今朝は東京で今年初の、みぞれが降りました。
みぞれは観測上、雪と同じ 扱いをされますので、今日が東京の初雪ということになるはずです。ところで 皆様、雪とみぞれの違いはご存じでしょうか?
雪とは、大気中の気体だった水(つまり雲)が凍って、結合と成長を繰り返して雪の結晶となったものが重力を受けて地表に降り注ぐものですが、これが地上に落ちてくるまでに溶けたものが雨となります。(なので雨は全て、もともと雪だったということになります)
そして、みぞれ とは溶けかかって降る雪、あるいは大気上層の雪が中、下層の水分で湿って液体の水とまざった降水を指します。
あの名曲は…
「雪は雪のまま降っている」ということが分かりましたが、そうすると1つ大問題が発生します。
冬の名曲である山下達郎さんの『クリスマス・イブ』に「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう」というフレーズがありますが、これが誤りということになってしまいます。
訂正するなら「雪は夜更け過ぎに雪のまま降るだろう」。詩的な美しさが失われてしまいました。
・つまりこういうことに…
雪になるには湿度も重要
一般的には湿度50%では地上気温5℃であっても雪になる一方、湿度90%以上では地上気温3℃でも雨になります。
しかし気温約4℃以下では、ある程度の湿度があっても融解層(みぞれ)が出現して、完全な雨にならないことがあります。またこの融解層(みぞれ)の出現する湿度の幅や、4℃という境界点温度は、雪の結晶の大きさや密度に依存し、これが大きいほど融けにくいので幅が大きく、境界温点度は高くなります。
松本市のデータに基づく雨雪判別図。縦軸が湿度(%)、横軸が気温(℃)、でsnow(雪)/sleet(霙)/rain(雨)の3状態が区分されている。
今日は「忠臣蔵の日」でもあります
ちなみに今日12月14 日は、1702年(元禄15年)に47人の赤穂浪士が江戸、本所松坂町の吉良邸にて討ち入りを行い、主君の仇討ちを遂げた赤穂事件があった日。つまり「忠臣蔵の日」でもあります。
時代劇で描かれる赤穂事件では、雪の降りしきる中を討ち入りに向かう赤穂浪士たちの姿がドラマティックに描かれていることが多いですが、史実では前日まで降り積もっていた雪は残っていましたが、討ち入り当日には雪は止んでいたそうです。
あれから319年、赤穂浪士たちの評価も時代の価値観とともに移ろいゆき、そして気候もずいぶんと変わり、東京に雪が降り積もることも珍しくなりました。
今日の東京に降りしきる、すぐに溶けて無くなってしまうみぞれに、時の儚さへ思いはせてみるのも良いかもしれませんね。